ram's café menu No.612 : 室内楽曲
演奏 : ピエール・フルニエ(vc) ウィルヘルム・ケンプ(p) ( 国内盤 DGG POCG 2461/2 ) モーツァルトはチェロ・ソナタを一曲も書きませんでしたが、ベートーヴェンは5曲のチェロ・ソナタと3曲のチェロとピアノのための変奏曲を作曲しています。どうしてベートーヴェンがこんなにチェロの作品を好んで書いたのかについて、吉井亜彦著『名盤鑑定百科(室内楽曲篇)』によると、「ベートーヴェンの周辺には、チェロ奏者、あるいはチェロ愛好家といった人たちが、比較的多くいたのではないだろうか?」ということらしいです。楽器としてのチェロの歴史は、18世紀後半までは合奏の通奏低音としての扱いでしたが、ようやく19世紀になって演奏技術も進歩して表現の幅も広がり、独奏楽器として認められるようになったそうです。さらに19世紀中頃にエンドピンが付けられてからは、より安定して豊かな響きが得られるようになり、室内楽での独奏楽器としての地位をより強固なものにしていったようです。 さて今日のお薦めの「第3番イ長調」は、中期のベートーヴェンらしく、激しい情熱や力強さにあふれています。しかも明るく親しみやすい旋律が、チェロによって雄弁にしかも格調高く演奏されていくのです。まさに独奏楽器としてのチェロの魅力を最大限に生かした名曲といえます。その「第3番イ長調」、今日はフルニエのチェロでエントリーします。《チェロの貴公子》といわれたフルニエですが、濃厚な表現や迫力といったものからは遠いのですが、品がよくってのびやかなチェロの響きがとてもいいのです。特にこの曲の第3楽章冒頭の<アダージョ・カンタービレ>の美しさは格別です。ケンプのピアノはキラキラと輝く美音で美しいし、フルニエのチェロはたっぷりと歌い、じつに優美! 極上です。 ぜひ一度はこの演奏を聴いてみて下さい。 今日の写真 : クリスマス・ローズ 2010年3月27日撮影 「いわき市フラワーセンター」
by fragile28
| 2010-03-28 21:05
| 室内楽曲
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