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バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV.1046

バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV.1046_a0085805_15115081.jpgram's café menu No.678 : 協奏曲

演奏 : シギスヴァルト・クイケン(Violoncello da Spalla)
      ラ・プティット・バンド

( 輸入盤 SACD ACCENT ACC 24224  )






 シギスヴァルト・クイケン&ラ・プティット・バンドによる待望の「ブランデンブルク協奏曲」の新録音が、先月末に発売になりました。新録音で注目すべきは、S.クイケンがヴィオロンチェロ・ダ・スパラを担当しているということです。そして今回は、最近の研究成果を踏まえ《ひとつのパートは一人の奏者で》という考えにそって演奏されています。特別に大きな編成をとる「協奏曲第1番ヘ長調」でも、ホルン2,オーボエ3,ファゴットの管楽器とヴィオリーノ・ピッコロ、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロの弦楽器、そしてチェンバロという編成です。このチェロ・パートをS.クイケンが「肩のチェロ」と言われるヴィオロンチェロ・ダ・スパラで演奏しているのです。
 また今回の新録音では、管楽器はすべてバルブのないナチュラル楽器を使用しているそうです。オリジナル楽器による演奏ですから当然かも知れませんが、1994年の旧録音では「協奏曲第2番」のトランペット・パートがホルンで代用されていました。今回は楽譜どおりにトランペット・ソロとなっています。

 さて肝心の演奏ですが、奇を衒った表現はまったく無くて、自然な息遣いを感じるような穏やかな演奏でした。オリジナル楽器、モダン楽器という区別など無意味なくらい、典雅で美しい弦の響きが気持ちいいのです。ナチュラルホルンも香り高く柔らかい響きで、泉のように音楽が溢れてきます。さらにオーボエは情感あふれた演奏で、全体を美しく彩っていきます。何とも大らかで豊穣なバッハです。これまでオリジナル楽器による「ブランデンブルク協奏曲」の私的決定盤は、1976年録音のレオンハルト盤でしたが、これからはこのクイケン&ラ・プティット・バンドの新録音を挙げたいと思います。


   同曲異演盤 : カール・リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団
             My favorite Brandenburg Concertos



今日の写真 : 序

バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV.1046_a0085805_20304219.jpg

by fragile28 | 2010-10-03 16:52 | 協奏曲


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