ram's café menu No.684 : 協奏曲
演奏 : レイチェル・ポッジャー(vn)/ブレコン・バロック ( 輸入盤 SACD CHANNEL CLASSICS CCS SA 30910 ) バロック・ヴァイオリンの名手、レイチェル・ポッジャーによるJ.S.バッハの「ヴァイオリン協奏曲集」を聴きました。このSACDには、ヴァイオリン協奏曲第1番BWV.1041と第2番BWV.1042、チェンバロ協奏曲から編曲された2曲(BWV.1055、1056)の4曲が収録されています。現存するもう一つのヴァイオリン協奏曲、2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV.1043はアンドリュー・マンゼ(vn)&AAMとすでにharmonia mundiへ録音していますが、純粋に彼女がソロを務めるものはこれが初めてのようです。共演した「ブレコン・バロック」は2007年創設の若いアンサンブルですが、6人という少数精鋭で、ポッジャーを含めても総勢7人による演奏です。驚きました。 確かに、バッハの音楽については《かくあるべし》と頑なに構える必要などなくて、多様な可能性を愉しむことの方がより大切なのですね。古くは「ブランデンブルク協奏曲」におけるブリュッヘン、ビルスマ、クイケン兄弟、レオンハルトらオリジナル楽器の名手たちによる名盤も、最近ではS.クイケン&ラ・プティット・バンドによる新録音も、《ひとつのパートは一人の奏者で》というバッハ研究の成果を体現したものでした。オリジナル楽器による演奏ではこうしたアカデミックな読譜や奏法が多いと思いますが、最近の録音では、オリジナル楽器ということを意識することもなく、自由で伸びやか、フレッシュな生命力に満ちた音楽を愉しむことができます。 さて今日のエントリーは「ヴァイオリン協奏曲ト短調BWV.1056」です。この曲の両端楽章は「チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調」の原曲にもなりました。また、第2楽章ラルゴはカンタータBWV.156の第1曲シンフォニア(アリオーソ)からの転用なのですが、とりわけ美しく甘美な旋律で有名です。このCDでも、ポッジャーのしなやかで艶やかなヴァイオリンがピチカートの伴奏の上にくっきりと浮かび上がり、とてもロマンティックですね。ポッジャーの明るく伸びやかなヴァイオリンの特質が生かされた演奏といえます。 同曲異演盤 : ラウテンバッハー(vn)&リリング/シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム 今日の写真 : 秋色へ ( 写真をクリックすると、少し大きな画像でご覧いただけます )
by fragile28
| 2010-10-31 13:58
| 協奏曲
|
by fragile28 <管理人よりお願い>
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