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ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第15番イ短調Op.132

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第15番イ短調Op.132_a0085805_1045048.jpgram's café menu No.719 : 室内楽曲

演奏 : ラサール弦楽四重奏団
(  輸入盤 LP DGG 2530 728  )







 ラサール弦楽四重奏団は、1946年にジュリアード音楽院学生だったワルター・レヴィンによって結成された弦楽四重奏団です。wikipedia によれば、アルバン・ベルク四重奏団やアルテミス四重奏団、フォーグラー四重奏団、プラジャーク弦楽四重奏団といった世界の主要な弦楽四重奏団が彼らから指導を受けていました。20世紀の音楽を得意としていたことなど、現在の弦楽四重奏の演奏スタイルに多大な影響を与えた、戦後最高の弦楽四重奏団のひとつでしたが、惜しくも1987年に解散してしまいました。そのラサール弦楽四重奏団も1970年代中頃にチェリストが交替しています。DGGレーベルに録音した「ベートーヴェン/後期弦楽四重奏曲集」では、「第13番変ロ長調Op.130」(1972年)のチェロは初代のジャック・キルステインで、残りのOp.127 から Op.135 の4曲はリー・ファイザーが担当しています。

 さてラサール弦楽四重奏団の演奏は、明晰で緊密なアンサンブルによるベートーヴェンですが、並々ならぬ気迫で容赦なく突き進んでいきます。第1楽章から強弱の振幅を大きくとり、贅肉のない研ぎ澄まされた演奏ですが、冷たさは感じません。第2楽章の語らいにはす~っと肩の力でも抜けたような軽やかさもあります。有名な第3楽章もしみじみとした深い味わいに満ちた、清々しい演奏です。自然な音楽の流れにたっぷりと浸る心地よさは格別です。特別にこの旋律がどうのというのではありませんが、静謐で深遠な森の空気に心も浄化されていくようです。とてもいいです。



   同曲異演盤 : バルヒェット四重奏団
             アルバン・ベルク四重奏団
             ズスケ四重奏団


   
今日の写真 : 冴返る

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                    昨夜からの南岸低気圧の通過で、太平洋側でも雪が積もりました。
                         先週の春めいた陽気は嘘であったかのように、
                             何処かへ吹っ飛んでいきました。
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by fragile28 | 2011-02-12 14:07 | 室内楽曲


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