バッハ/ゴールドベルク変奏曲BWV.988
この『My favorite』の一曲のために、私が購入したLP,CDなどを一挙公開いたします。 ジャケット写真とともに私の『お薦め度』を、満点★5で付けさせていただきました。私はクラシック音楽愛好家ではありますが、 音楽についてはいわゆる《ど素人》です。この★☆印はそんな素人の私が所有しているディスクの、主観的・妄想的な思い入れとご理解下さい。他意はありませんので、★☆印にお腹立ちならずに、御心広くご覧いただきたいと願っています。( ジャケット写真はクリックすると少しだけ大きくなります ) グレン・グールド(p)<55> COLUMBIA ML 5060 ★★★★ グールドのデビュー・レコードであったこの曲ですが、主題のアリアをはじめとして、あっという間に終わってしまいます。テンポが異様に速いというわけではなく、変奏すべてが反復なしで演奏されているためです。しかし、この疾走感と斬新さに寝ている暇などありませんね。 ラルフ・カークパトリック(cemb)<58> DG 439 465-2 ★★★ 「全音ピアノライブラリー」から、カーク・パトリック自身による解説がつけられた楽譜が発売になっています。2段鍵盤用変奏をピアノで弾くときの奏法や装飾音についての研究成果が詳しく書かれているそうです。 ヘルムート・ヴァルヒャ(cemb)<61> 東芝EMI EAC-81044 ★★★☆ 現代楽器(アンマー・チェンバロ)による堂々として落ち着いた雰囲気の演奏です。装飾音は少なく金属的な響きで耳障りなところもありますが、チェンバロの多彩な音色を生かした、表情豊かな演奏です。 エディット・ピヒト=アクセンフェルト(cemb)<65> ERATO WPCS-22104 ★★☆ ピヒト=アクセンフェルトの最初の録音ですが、特別なことはせずに、一音一音を丁寧に弾いています。リマスタリングされたチェンバロの音は高音部が少しきつめ。軽やかですが痩せた感じの音色です。 ヴィルヘルム・ケンプ(p)<69> ブログ DG 139 455 ★★★ 冒頭のアリアから、やや速めのテンポで、なんと装飾音を全て省いて弾いています。グールドの《ゴールドベルク》に慣れた耳にはまるで別の曲に聞こえます。いきなり肩すかしをされたような感じですが、淡々と一音一音を慈しむように弾いていて、何ともやさしい気分にさせられる演奏です。 グスタフ・レオンハルト(cemb)<75> DHM 77149-2-RG ★★★ グールド同様、変奏の繰り返しをしていません。ゆっくりとした演奏で装飾音も多めに入っているようです。バッハ研究家による真面目で正統的な演奏で、説得力・風格を感じます。グールドとはだいぶ違った巨匠のバッハです。 ロザリン・テューレック(cemb)<78> SONY CLASSICAL 517491 2 ★★★ 欧米ではグールドが尊敬したぐらいバッハのスペシャリストとして知られているそうです。しかもHMVレビューによれば、彼女のゴールドベルク変奏曲には6種類もの録音があるそうです。ここでは反復を全て行っていて、じつに90分を越える演奏時間。少し重すぎますね。 カール・リヒター(cemb)<79> TDK Core TDK-OC003 ★★☆ 私はこの演奏に「完璧に暗譜していたはずが、どうしたわけか思い出せずに、出口を探しながら暗中模索を繰り返す苦悩」を感じてしまいました。『一心不乱に弾ききって、異常な迫力』との宣伝文句なのですが、万全な体調の時のリヒターの演奏とは余りにも違いすぎて、繰り返して聴くには辛すぎます。 クリスティアーヌ・ジャコテ(cemb)<80?> SMS-2531 ★★★ 中庸をえた演奏で安心して聴くことが出来ます。繰り返しがないので、意外とあっさり終わってしまします。ただ空間的な広がりがあまりない録音のため、チェンバロの音色や響きの美しさがいまひとつです。 グレン・グールド(p)<81> ブログ CBS/SONY 28AC 1608 ★★★★ グールド最晩年の名盤です。多くを語る必要はありません。諸井誠氏のライナー・ノーツ冒頭をご紹介します。 《名盤のほまれ高い27年前の初録音をはるかに凌駕する世紀の名演である。旧盤が若い才気の飛翔だったとすれば、新盤は賢者の深慮にもとずく確固たる造型と技巧の勝利である。》 タチアナ・ニコラーエワ(p)<83> CLASSICO CLASSCD 416 ★★☆ 生前よりバッハとショスタコーヴィッチの演奏に定評のあったニコラーエワですが、特別なことをするわけではないのですが一音一音を端正に弾いていきます。深い精神性とスケールの大きさを現代ピアノによって美しく表現しています。 シトコヴェツキー(vn)、コセ(va)、マイスキー(vc)<84> ORFEO C138 851A ★★★★ シトコヴェツキー編曲による弦楽三重奏によるゴールドベルク変奏曲です。編曲者自らがヴァイオリンを弾きリードしているためか、チェロがマイスキーであることを忘れるくらい3者のアンサンブルが溶け合い美しい仕上がりです。弦楽合奏の柔らかさがとてもいい。 スコット・ロス(cemb)<85> ERATO 3984 20972 2 ★★★ スカルラッティ弾きとして有名なスコット・ロスのチェンバロ音は繊細で軽く、軽妙洒脱といった感じです。バッハでもその印象は変わりません。明るく自由奔放で、溌剌とした演奏を聴かせてくれます。このCDは、カナダの放送局による美しい残響のライヴ収録です。余談ですが、第8変奏52秒あたりには建物外の自動車と思われる音までも収録されています。 ピエール・アンタイ(cemb)<92> OPUS 111 OPS 30-84 ★★★★ 意気込みや肩ひじ張った緊張感を感じさせない、自然なチェンバロの調べがとても美しい。変奏の反復もすべておこなっていて演奏時間も長いのですが、気持ちのいい演奏で飽きることはありません。 クリストフ・ルセ(cemb)<94> DECCA 475 7079 ★★★★ 1751年アンリ・エムシュ作のオリジナル楽器はラモーも弾いたといわれる楽器で、優雅な響きがとにかく魅力的です。生き生きとしたルセの演奏でキラキラと美しい音色が変化して愉しさいっぱいです。 セルゲイ・シェプキン(p)<95> Ongaku Records 024-107 ★★★☆ 1995年1月の録音ですが、2008年2月の発売でした。現代ピアノによる演奏で冒頭のアリアからジャズっぽいのです。ドライブ力というか推進力が魅力の演奏です。各変奏の繰り返しは実に斬新な装飾音で千変万化、飽きがきません。 ヨジェフ・エトヴェシュ(guitar)<97> ブログ EJ-01WZ ★★★★★ あたかもバッハがギター独奏のために作曲したような錯覚をしてしまうほど、各声部のバランスが見事で正統派のバッハです。心地よく暖かみのあるアコースティックな響きに癒やされること間違いなしです。 アンジェラ・ヒューイット(p)<99> Hyperion CDA67305 ★★☆ 冒頭のアリアからニュアンス豊かに弾かれるピアノに、ついつい聴き入ってしまいます。変奏の反復では拍子抜けするくらいサラッと進んでいきますが、不自然さは感じません。ただ、同じ現代ピアノのシェプキンと比べると、かなり退屈ともいえます。 カナディアン・ブラス<99> BMG 09026 63610 2 ★★ ブラス・クインテットによる世界初の全曲録音です。カナディアン・ブラスの超絶技巧テクニックを満喫することができます。しかし、曲全体に流れる甘ったるさにはちょっと閉口してしまいました。 マリー・ペライア(p)<00> SONY CLASSICAL SK 89243 ★★★ 各声部を丁寧に描き分けながら、立体的ともいえる陰影の深さを感じる演奏である。音を短くならすことで、一音一音を際立たせたリズム処理なども見事である。 アンドラーシュ・シフ(p)<01> ECM UCCE-2029 ★★★☆ 現代ピアノの美しさでゴールドベルク変奏曲を歌いあげています。チェンバロの響きの余韻を、ピアノで美しく表現しています。グールドとはまったく違った奏法でよく歌っていると思います。でも、陰影に乏しい印象がしてきます。 ピエール・アンタイ(cemb)<03> MIRARE MIR 9945 ★★★☆ 10年ぶりの再録音です。前回と同じように変奏の繰り返しをすべておこない、繊細で美しい仕上がりの演奏です。旋律の美しさすべてを弾き逃さずに歌い進んでいき、芳醇な雰囲気が漂います。 マルセル・ビッチ/フランス八重奏団<03> ブログ CALLIOPE CAL 9334 ★★★☆ フレーズの受け渡しも極めて自然で、室内楽の楽しみを感じます。 鍵盤楽器で感じたようなモノトーンの美しさや静けさではなく、気品とともにゆったり感があり、見事な癒し系の音楽に仕上がっています。 ラクリン(vn)、今井信子(va)、マイスキー(vc)<06> DG 477 6378 ★★★☆ マイスキーが弦楽三重奏でこの曲を録音するのは2回目です。今回の演奏では変奏の繰り返しが丁寧にすべておこなわれています。 ただ、前回の溶け合うような美しいアンサンブルは少し後退し、それぞれの楽器の特徴を際立たせているようです。メリハリが強く表現されて、甘さたっぷりに歌ったりと濃厚な演奏です。 グレン・グールド(ZENPH)<06> SONY CLASSICAL 88697-03350-2 ★★ グールドの55年モノラル音源を、コンピュータ・ソフト「Zenph(ゼンフ)」を使って完全にデータ化しそれをヤマハ製自動ピアノで再現したものです。確かにピアノの一音は誰が弾いても同じ音がしますから、実験としては有りなのでしょう。でも芸術ってそんなもんなのかな~と考えさせられます。 カトリン・フィンチ(harp)<08> ブログ DG UCCG-1459 ★★★ プリンス・オブ・ウェールズの王室お抱えのハーピストで、ロンドンの王立音楽アカデミーの客員教授も務めるという、若き「ハープの女王」によるリッチで豊潤な響きが魅力の一枚です。編曲も彼女自身によるものですが、多めの残響が濁ることもなく、美しい色彩の変化として空間に吸い込まれていくようです。 曽根麻矢子(cemb)<08> avex SACD AVCL-25441 ★★★ 10年の歳月を経て再録音された彼女の新盤です。大型ジャーマン・タイプのパワフルで重厚な音色の深みを生かした演奏です。ライナー・ノートの最後に、彼女のこんな文章が載っていました。 笑って過ごそう! 明るく元気に生きよう! 最近、気持ちが沈んで元気がでないという人が私の周りにもいます。この音楽を聴いて元気になーれ! 残念なのは繰り返しを一部省略してることです。 アンドレアス・シュタイアー(cemb)<10> ブログ harmonia mundi HMC 902058 ★★★★☆ <ハス・チェンバロ>はオルガン風のダイナミックな響きが魅力です。ところがシュタイアーのタッチがとても柔らかく繊細なので、その響きは濁ることもなくて軽やかに宙を舞う感じです。演奏時間は80分46秒という長さですが、嬉しいことにCD1枚にしっかりと収まっています。さらに付録にシュタイアー解説のDVDがついています。
by fragile28
| 2006-09-13 09:27
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