ram's café menu No.436 : 交響曲
演奏 : カルロ・マリア・ジュリーニ シカゴ交響楽団 ( 輸入盤 LP DG 2707097 ) お正月のような連休でもないと少し長めの大曲を聴く余裕もないので、ちょっと意識をしながら選曲をしています。しかも管弦楽、特にたっぷりと分厚い弦のアンサンブルに酔うのもいいかななんて考えました。ということで年の初めには似合いそうにありませんが、「人生の儚さ」や「ため息」のような第4楽章アダージョを持つマーラーの《第九》を聴きました。全曲を聴くとなると約90分もの時間がかかります。生き生きとしたテンポのレントラーが次第に崩れてぎこちなくなる第2楽章も、不気味な雰囲気に包まれアナーキーともいえるような自己主張の旋律が現れる第3楽章も、私の脳裡にこびりついたまま混沌としし最終楽章アダージョに突入していきます。それまで無秩序に目の前で展開されてきた景色に、薄い膜が幾重にも降ろされるように弦楽合奏がたっぷりと、そしてゆっくりと消えていきます。始めこそ「えっ、90分!長いなぁ」と思いましたが、聴き始めたらどの旋律、どの音も豊かな歌に満ちていて美しく、飽きることなく聴くことができました。 さて今日のエントリーはジュリーニが1976年にシカゴ響と録音した演奏ですが、この一枚こそジュリーニの代表盤といっていい演奏です。第1楽章だけでも実に31分45秒もかかっているのに、緩むことなく息の長いフレージングでしなやかに美しく歌っています。まさにジュリーニ絶頂期の名演奏、名盤です。 今日の写真 : 初春の香り マンサク 素心蝋梅 2009年1月4日撮影
by fragile28
| 2009-01-04 21:41
| 交響曲
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