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ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第3番ニ長調Op.18-3

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第3番ニ長調Op.18-3_a0085805_15232127.jpgram's café menu No.458 : 室内楽曲

演奏 : ブダペスト弦楽四重奏団
( 国内盤 SONY CLASSICAL SRCR 1901/2 )







 ベートーヴェンの最初の6曲の弦楽四重奏曲の完成順は、番号とは違っていて、最初に書かれたのが第3番でそれ以後、第1番→第2番→第5番→第6番→第4番と作曲されたそうです。なるほどこの中では一番遅く、ハ短調で書かれた「第4番」は第1楽章アレグロ・マ・ノン・タントの冒頭の主題から強烈な緊張感に貫かれ、第1ヴァイオリンの活躍による協奏曲的要素も加味されているなど、他のどの曲よりも独創的で充実した作品でした。
 さて今日のエントリーは「第3番」です。ハイドンやモーツァルトの影響が色濃く現れたこの曲は、まさにベートーヴェン最初の弦楽四重奏曲ということになります。CD解説書によると《第1期(1798~1800年)の作品18の6曲は、古典的ソナタ様式を基礎とした時期の最後に属し、次の実験的革新期への移行期に成立。》とありました。18世紀末から19世紀初めの激動期、ウィーンに出てきた若いベートーヴェンはチェコ出身のロブコヴィッツ侯爵の手厚い支援を受けていますが、この「第3番」は当時のウィーンでの楽しい生活を反映したもののようです。のびのびとした旋律の数々に、屈託のない明るさと若々しくフレッシュな息吹を感じます。




今日の写真 : 小さな春の息吹  


ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第3番ニ長調Op.18-3_a0085805_1711053.jpg

by fragile28 | 2009-02-21 17:04 | 室内楽曲


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