ram's café menu No.15 : 協奏曲
演奏 : イル・ジャルディーノ・アルモニコ ( 輸入盤 T 4509-96158-2 ) 今夜は中秋の名月だというのに、昨夜からの嵐が一日中吹き荒れても、まだおさまりません。東北のこのあたりにしては珍しい長時間の嵐です。強烈な北東風に飛ばされて、大粒の雨が北向きの窓ガラスにあたっています。大きな川はありませんが、近くの河川でも水位が上がってきました。JR東日本も午後は運休です。こんな時は、ひたすらじっとして、自然の脅威をやり過ごすしかありません。 ヴィヴァルディの四季といえば、イ・ムジチ合奏団といわれるほど、その艶やかで明るい音色、たっぷりと歌う弦の流麗な演奏は人気があります。しかし、アーノンクールをはじめとした古楽器による演奏を聴くと、まったく違った音楽です。これぞ baroque というのでしょうか、音楽が大胆な感じです。とくに、冬の第2楽章ラルゴは、イ・ムジチの演奏ではほんとに甘美でうっとりとしますが、アーノンクールたちには甘さはありません。今日の嵐のように猛烈な雨音を感じさせてくれます。 さて、今日のイル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏は、アーノンクールよりもさらに激しいピツィカートです。まさしく、外から打ち付ける激しい雨としたたり落ちる雫そのものです。 快速で自由奔放な爽やかさもあって、聴いたあとはスカッとします。お薦めの一枚です。 今日の写真 : 三条が滝 #
by fragile28
| 2006-10-06 20:48
| 協奏曲
ram's café menu No.14 : 室内楽曲
演奏 : ラサール弦楽四重奏団 ( 国内盤 LP DGG MG 2388 ) ドビュッシーと同じく、ラヴェルも弦楽四重奏曲は一曲しか書いていません。ラヴェルがこの作品を完成したのは27歳のときで、すでに「亡き王女のためのパヴァーヌ」や「水のたわむれ」などの傑作で注目されていて、この弦楽四重奏曲でより高い名声を得たというわけです。 第2楽章では、4本の弦がピチカートでリズミカルに奏する主題と、旋律的な第2主題が対比されています。まことに上質なペルシャ絨毯のような、精緻な織りなしです。そして非常にゆるやかにと記された第3楽章では、その絨毯の肌触りを優しく撫でながら、その感触を確かめているようです。 のんびりとした午後のひとときに、私のお薦め曲です。 この曲には昔からの名盤がたくさんありますが、今日は、ラサール弦楽四重奏団です。 メンバー全員がジュリアード音楽院の出身で、学生時代の1946年から活動をはじめ、1949年の卒業演奏のときから正式に四重奏団として認められたそうです。因みに有名なジュリアード弦楽四重奏団は、音楽院の先生達が組織していた団体だそうです。 道理で、巧いわけです(笑)。アンサンブルの緻密さ、格調の高さ、洗練された響きが渾然一体となった見事な演奏だと思います。 今日の写真 : 蜘蛛の糸 #
by fragile28
| 2006-10-04 21:15
| 室内楽曲
ram's café menu No.13 : 室内楽曲
演奏 : アルノルト・シェーンベルク トリオ ( 輸入盤 Campa C 130113 ) モーツァルトの最後のディヴェルティメントとして書かれたこの作品は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽三重奏の小さな編成です。しかし、モーツァルトの作り出す世界は、たとえ編成は小さくとも自由自在な楽器の取り扱いがされていて、どれも充実した内容となっています。 小さな編成ということでは、ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲の2曲(KV.423 , 424)が最小になりますが、それとて、じつに魅惑的な溌溂とした作品です。このKV.563はそれにチェロが加わります。3つの弦楽器のための曲ながら、全体は6楽章からなり、弦楽四重奏曲に近い内容になっています。 41曲の交響曲を書き終えたあとの曲だからという、私の思いこみかもしれませんが、この曲からは、やすらぎとともに一音一音を慈しむかのような優しさを感じます。これはモーツァルト晩年の傑作です。 この曲のCDはそんなに多くは出ていないと思います。手元には今日のお薦めのシェーンベルク・トリオのものとクレーメル、カシュカシュアン、マのもの、ラルキブデッリの3種類しかありません。 アルノルト・シェーンベルク・トリオはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者の3人で結成されています。何度か来日をし、各地で演奏会を行いました。5年も前ですが、私もこのCDにカップリングされた2曲と、シューベルト、ウェーベルンの弦楽三重奏が演目のコンサートに行きました。 それはそれは、吸引力の強い演奏で感銘を受けたコンサートでした。室内楽の楽しさ、素晴らしさをあらためて感じました。 今日の写真 : ハイビスカス #
by fragile28
| 2006-10-03 20:52
| 室内楽曲
ram's café menu No.12 : 管弦楽曲
演奏 : ニコラウス・アーノンクール指揮 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス ( 輸入盤 T 8.35670 ZC ) 食事時に堅苦しくなく、こちらのおしゃべりの邪魔にもならず、それでいて愉快な気持ちにさせてくれるような音楽、それが「食卓の音楽」です。和食のお店だと、決まったように琴の調べがBGMとして流れているけど、たまにはクラシックでもいいかもしれません。 でも私、個人的には、BGMなどなくても満足できるだけの料理を出していただけることが一番嬉しいのですが・・。 テレマンのターフェル・ムジークは、宮廷の公式な祝宴を華やかにするために作曲された音楽らしいのですが、いろいろな楽器の組合せの多様な音楽になっていて、なんとも楽しい気分にさせてくれます。 今日は、先日(9月30日)頂いてきた旬の食材、岩手産松茸がお料理のメインです。 今日の写真 : 9月のメニュー らん亭 先附 ふぐ皮のゼリー寄せ あと7枚あります・・ #
by fragile28
| 2006-10-01 19:00
| 管弦楽曲
ram's café menu No.11 : 協奏曲
演奏 : ディヌ・リパッティ(p) ヘルベルト・フォン・カラヤン/ルツェルン音楽祭管弦楽団 ( 国内盤 LP EAC-60109 ) 1785年に作曲された3曲のピアノ協奏曲の中で、ニ短調の20番とこのハ長調の21番は極めて対照的な曲です。ニ短調の20番はとても暗く、悲劇的な色彩の濃い曲になっている一方、ハ長調のこの曲は明るく気品に富んだ曲となっています。特に、映画「短くも美しく燃え」のテーマ音楽に使われた第2楽章は、この上ない美しさといえます。 この曲の一番のお薦めは、リパッティの演奏で、リパッティ33歳(彼は、リンパ肉芽腫症のためこの年齢で亡くなりました。)、カラヤン42歳のときの録音です。病魔と闘いながら演奏活動を続けたリパッティは、おそらく自分に残された時間が少ないことを自覚していたのかも知れません。この21番の美しいばかりの第2楽章には、その美しさ以上に、耐え難い悲しみのようなものを感じます。 カップリングされているモーツァルトのピアノ・ソナタ第8番イ短調KV.310の演奏も、とても素晴らしい演奏です。今日はリパッティの残したモーツァルトの2曲を、静かに心を込めて聴きたいと思います。 今日の写真 : 白い睡蓮 #
by fragile28
| 2006-09-29 21:09
| 協奏曲
|
by fragile28 <管理人よりお願い>
☆当ブログに関係ないもの、ふさわしくないと判断されるコメント等は、固くお断りいたします。
管理人が許可なく削除することもありますので、何卒ご了承ください。 作曲家別索引 Vol.1 作曲家別索引 Vol.2 作曲家別索引 Vol.3 My favorite.. ★Mozart K.361 ★Bach Cello Suites ★Goldberg BWV988 ★Brandenburg Con. BLOG LINKS Minha Saudade 音楽と薔薇の日々 らん亭日記 フォロー中のブログ
タグ
LP(465)
花・植物(295) 自然(250) モーツァルト(185) 植物園(124) バッハ(118) ベートーヴェン(92) バラ(61) 癒し(42) 風物詩(38) 白鳥(34) 水族館(31) 紅葉(29) らん亭(26) 桜(24) マルツィ(20) 月(19) コンサート(18) ジャズ(15) オーディオ(12) カテゴリ
以前の記事
ブログパーツ
最新の記事
その他のジャンル
|
ファン申請 |
||