ram's café menu No.598 : 室内楽
演奏 : ジュリアード弦楽四重奏団 ( 輸入盤 LP 仏CBS 75998 ) 1893年、ドビュッシー31歳の時に作曲されたこの曲は、彼の唯一の弦楽四重奏曲です。ドビュッシーはこの作品によって、フランス音楽界での地位を確かなものへと築いていきました。しかし、作曲された当初の評価は、その演奏の難しさのためか賛否両論だったようです。 吉井亜彦著『名盤鑑定百科(室内楽曲篇)』では、フランスの作曲家バラケはドビュッシーの個性的な循環主題の用い方を評して、《作品全体を通じ、ことなった姿で、つぎつぎと動きまわる。おおざっぱに言って、主題材料のこの絶えざる変容は、旋律の流れに極度のしなやかさをあたえる。主題も、固定された音程のリズムの構造といった状態にとどまっているよりも、ほんとうの旋律的な図式となる方向にむかう。》と書いていることを紹介しています。この曲の桃源郷を彷徨うような気分、そこから醸し出される多彩なニュアンスをうまく言いあてていると思います。陽気な春の午後にでも、ふわふわと、あるいはぼんやりと微睡みながら聴くのに、とても似つかわしい一曲といえます。 さて、今回のエントリーはジュリアード弦楽四重奏団の1970年録音のLPです。第1ヴァイオリンはもちろん、ロバート・マン、他のメンバーはアール・カーリス(2vn)、サミュエル・ローズ(va)、ラウス・アダム(vc)でジュリアード弦楽四重奏団としては第2期初めの録音です。ロバート・マンの豊かな感性は第1期黄金期と変わらず、しかも終始乱れぬアンサンブルの安定感は抜群です。カップリング曲はもちろんラヴェルで、こちらも素晴らしい演奏です。 同曲異演盤 : アルバン・ベルク四重奏団 パルナン四重奏団 イタリア弦楽四重奏団 今日の写真 : 「流氷の天使」 2010年2月21日撮影 アクアマリンふくしま ( 写真をクリックすると、少し大きな画像でご覧いただけます ) この日、私の好きな「イワシの群れ」は、今一つパッとしませんでした。 この大水槽から、クロマグロがいなくなったためでしょうね。 ( 写真をクリックすると、少し大きな画像でご覧いただけます )
by fragile28
| 2010-02-24 21:02
| 室内楽曲
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