ram's café menu No.702 : 声楽曲
演奏 : クリスティーネ・シェーファー(S)、アンナ・ラーソン(A) ミヒャエル・シャーデ(T)、ジェラルド・フィンレイ(Bs) アルノルト・シェーンベルク合唱団 ニコラウス・アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス ( 輸入盤 SACD dhm 82876 64070 2 ) ヘンデル屈指の名曲として知られるオラトリオ「メサイア」は、キリストの生誕の預言とその成就から復活までを歌ったものです。「メサイア」とは、旧約聖書では『聖油を注がれた者』の意味で、後に『救い主』からギリシャ語訳されてイエス・キリストをさすようになったそうです。この曲には美しいアリアや感動的なコーラスが数多く含まれていますが、その台本はいずれも聖書からの引用によったものです。しかし2時間を優に超すこの大曲には、信仰心への気負いではなく、天真爛漫として魅力的な音楽の泉があふれています。 さてアーノンクールの「メサイア」ですが、この録音は1982年にエリック・エリクソン指揮するストックホルム室内合唱団との共演でTELDECにライヴ録音して以来の、22年ぶりの再録音(ライブ)です。全曲を通してみると特に第2部は名曲オンパレードです。第20曲のアルトのアリア<He was despised>、第30曲のコーラス<Lift up your heads,O ye gates>、第34曲ソプラノのアリア<How beautiful are the feet>など、有名な第39曲のコーラス<Hallelujah !>に負けないくらい美しいと思います。アーノンクールの演奏による<Hallelujah !>は、絶妙な柔らかさ、優しさ、暖かさに包まれて始まりますが、次第に確信を持って力強く、感動的な<Hallelujah !>のコーラスで終わります。そして、ソプラノによる一段と美しい第3部冒頭の第40曲アリア<I know that my Redeemer liveth>によって、私たちは優しく安らぎの瞬間へと導かれていくかのようです。ところでこのSACDは、《ウィーンのムジークフェラインザールの美しい音響と演奏の広大なダイナミックレンジを完璧に収録しています。》と謳うだけあって、とても空間的な広がり・奥行き感があって良い音のするCDです。あっという間に2時間半が過ぎていってしまいました(笑)。 同曲異演盤 : 鈴木美登里(S)、米良美一(CT)他&鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン カークビー(S)、ボウマン(CT)&アンドリュー・パロット/タヴァナー・プレーヤーズ 今日の写真 : 安息 ( 写真をクリックすると、少し大きな画像でご覧いただけます )
by fragile28
| 2010-12-29 21:47
| 声楽曲
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