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シューベルト/弦楽五重奏曲ハ長調Op.163 D.956

シューベルト/弦楽五重奏曲ハ長調Op.163 D.956_a0085805_17484687.jpgram's café menu No.779 : 室内楽曲

演奏 : アルカント・カルテット
      オリヴィエ・マロン(2nd vc)

(  輸入盤 harmonia mundi HMC 902106  )






 2009年度にはバルトークで、2010年度にはドビュッシーでそれぞれ「レコード・アカデミー大賞銅賞」を受賞したアルカント・カルテットの最新録音は、シューベルトの長大な傑作、「弦楽五重奏曲」です。今日はこのCDをエントリーします。

 弦楽五重奏曲というと、モーツァルトやブラームスの曲のような、弦楽四重奏に第2ヴィオラを加えた編成の曲が有名ですが、シューベルトのものは、チェロを2人にした楽器編成です。モーツァルトと同時代のボッケリーニも多くの弦楽五重奏曲を残していますが、ボッケリーニはチェロの名手ということもあって、彼の弦楽五重奏曲はチェロが2挺の編成でした。そして柔らかい響きの流麗優美な娯楽音楽は、いかにも貴族向き?という趣の音楽です。シューベルトは、編成こそボッケリーニと同じですが、抒情的な美しさとともに、やりきれない寂寥感も感じられるなど、ボッケリーニとは桁違いに濃厚な曲となっています。

 今日のお薦めのCDは、第1楽章冒頭部から5人の呼吸と表情が見事に揃った、研ぎ澄まされたハーモニーがとっても美しいのです。シューベルトらしいというか哀しみと喜びが交錯する表情を、シンフォニックで美しい響きで表現していきます。さすが、超一流・超一級の名手揃いのアルカント・カルテットです。



   同曲異演盤 : ラサール弦楽四重奏団&リン・ハレル(2nd vc)
             ベルリン・ブランディス弦楽四重奏団&イェルク・バウマン(1st vc)




今日の写真 : 秋色湖畔   2012年10月27日撮影

シューベルト/弦楽五重奏曲ハ長調Op.163 D.956_a0085805_17541123.jpg

                      ( 写真をクリックすると、大きな画像でご覧いただけます )

 
by fragile28 | 2012-10-28 20:36 | 室内楽曲


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