ram's café menu No.278 : 器楽曲
演奏 : パブロ・カザルス(vc) ( 輸入盤 EMI CHS 7 61027 2 ) 『池上實相寺サロン・コンサート』(2008.2.11)に行ってきました。前半部が寺神戸亮氏のヴィオロンチェロ・ダ・スパッラによるバッハの無伴奏チェロ組曲第6番でした。 この曲は、バッハ自身が考案した5弦のチェロ(ヴィオラ・ポンポーザ)のために作曲されたらしいのですが、肝心のヴィオラ・ポンポーザという楽器がどんなものであったかよくわからないそうです。この楽器の正体は、アンナー・ビルスマやピーター・ウィスペルウェイなども用いた5弦のチェロ・ピッコロだったのかもしれないし、最近になって復元されつつあるヴァイオリンのように肩にかけて弾くヴィオロンチェロ・ダ・スパッラかもしれないしということです。これまでその存在が完全に失われていたヴィオラ・ポンポーザという楽器を一枚の絵から、「ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ」として復元しようとする寺神戸氏たちの熱意・情熱に声援をおくりたいと思います。 初めて耳にするこの楽器は、ヴィオラよりも大きく厚みもあるので音域としてはチェロと同じですが、その響きは豊かとはいえずやや籠もり気味です。肩掛けという不安定さのため、寺神戸氏ですら安定した音を確保するのに大変なご苦労をされていました。私は寺神戸氏の演奏を聴きながら、すぐにパブロ・カザルスのSP時代の歴史的名盤を思い出していました。それまでチェロの練習曲くらいにしか思われていなかった「無伴奏チェロ組曲」に光をあてて希有の名作であることを世に知らしめたカザルスの演奏です。古書店でこの楽譜の束を発見し、研鑽を積み重ねたというカザルスの姿が見えるようでした。 さて今年の5月下旬には、このヴィオロンチェロ・ダ・スパッラによる「無伴奏チェロ組曲全曲」CDも発売されるようです。まだまだ時間もありますから、この楽器についての益々の研鑽に大いに期待したいと思います。なお、この日の寺神戸氏のサロン・コンサートへは《寺神戸亮さんの大ファン》のANNAさんとご一緒させていただきました。楽しいひとときをありがとうございました。 今日の写真 : 池上梅園の梅 2008年2月11日撮影 「枝垂れ梅」 昨年よりも開花が遅れているようです。まだまだ咲き始めです。
by fragile28
| 2008-02-14 21:43
| 器楽曲
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