バッハ/フーガの技法BWV.1080

a0085805_2018220.jpgram's café menu No.338 : 室内楽曲

演奏 : エマーソン弦楽四重奏団
(  輸入盤 DGG 474 495-2  )







 バッハが作曲した数多い作品の中で、最も複雑で難解な曲といえば、真っ先にこの『フーガの技法』をあげることができます。非常にシンプルな主題が多様に姿、形を変えてフーガとカノンの中に登場してきます。なんでもその中の「Contrapunctus 12」などは 《鏡像フーガ》といわれるもので、「もとの楽譜に鏡を立てて、すべて反転させて作った4声のフーガ」らしいのです。作品番号のBWV.1080といえばバッハ最晩年の曲『音楽の捧げもの』の後に作られた作品であるのに、なんという実験的作品なんでしょう!こんな前衛的、宇宙的ともいえる音楽に聴く側の「喜怒哀楽」など意味を持ちません。ただひたすら無限に展開していく音楽の謎と向きあうしかないようです。

 さてこの曲は、楽器の指定がありません。チェンバロやオルガンで演奏されるのが多いのかも知れませんが、オーケストラによるものや今日のお薦めのような弦楽四重奏によるものまであります。弦楽四重奏団による演奏では、各声部が聴き取りやすく曲の構成が把握しやすくなるようです。特にこのエマーソン弦楽四重奏団の演奏は優れていて、十分なレガート演奏による響きの美しさも味わえます。また最後の19曲目の途中、未完のまま音楽は途切れてしまうのですが、このCDではその後に、BWV.668aのコラール『われら悩みの極みにありて(Wenn wir in höchsten Nöten sein)』が付け加えられています。ありがたいです。魂の安らぎを得る思いがします。



今日の写真 : 静寂 


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by fragile28 | 2008-06-05 21:35 | 室内楽曲


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