モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調K.207

a0085805_9242885.jpgram's café menu No.345 : 協奏曲

演奏 : ジュリアーノ・カルミニョーラ(vn)
      クラウディオ・アバド/モーツァルト管弦楽団

( 輸入盤 ARCHIV 477 7371 )






 1933年6月生まれの世界的指揮者クラウディオ・アバドも、今年で75歳を迎えます。カラヤン亡き後、1990年からベルリン・フィル芸術監督を務めていましたが、2000年に胃がんの手術を受けた後、2002年にベルリン・フィルの芸術監督を若きラトルに譲りました。
 「帝王カラヤン」の手兵であったベルリン・フィルとアバドのコンビは、特に最初のころは印象が薄すぎました。アバドの音楽は《中庸》といわれますが、ベルリン・フィル団員の世代交代も進むなかで、アンサンブルに磨きをかけた演奏は緻密ではあるけれどある意味、「無難に何でも演奏してみせるミュージック・ボックス」の感もありました。

 ところが、胃がんの全摘手術を受けたあとのアバドは、「音楽が何よりの薬」といって精力的に活動を再開して、2003年には、マーラー・チェンバー・オーケストラを中核とし、各パートのトップにはベルリン・フィルの現・元首席奏者やソリストとして活躍する奏者を加えた、新しい「ルツェルン祝祭管弦楽団」を組織しました。まさに《ベルリン・フィル・アンド・オールスターズ》みたいなメンバーなのですが、その演奏はベルリン時代とは変わって、より色彩的で重厚、かつ濃密な音楽となっていました。

 そのアバドが今度は何と、古楽器オーケストラの「モーツァルト管弦楽団」を創設しました。
コンサート・マスターは古楽器の名手ジュリアーノ・カルミニョーラで、残りのメンバーは18歳から26歳という若手ばかりだそうです。彼らの演奏でモーツァルトの「交響曲集」も発売になりましたが、今日はカルミニョーラの独奏によるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第1番です。カルミニョーラはこのヴァイオリン協奏曲全曲を、弾き振りで1997年に録音しています。現在でも、ブリリアント・レーベルの廉価盤で購入することができます。しかしその前回の録音は、古楽器らしい溌溂さもなく、恣意的で気品のないモーツァルトでした。しかし今回は違います。同じ古楽器による演奏なのですが、はるかに生命力に溢れた勢い、喜びが感じられます。
この違いは《アバドの存在・音楽性》からきているように思います。今日はまもなく満75歳になるアバドが古楽器の世界での新境地を示したディスクを聴いて、改めて音楽の奥深さを考えさせられました。



今日の写真 : 桜桃 (ゆすらうめ)

 
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    梅雨時になると、我が家の「ゆすらうめ」の実が赤く熟してきます。
   
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by fragile28 | 2008-06-21 14:12 | 管弦楽曲


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