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モーツァルト/セレナード第9番ニ長調K.320「ポスト・ホルン」

モーツァルト/セレナード第9番ニ長調K.320「ポスト・ホルン」_a0085805_94097.jpgram's café menu No.359 : 管弦楽曲

演奏 : バリリ四重奏団
      オットー・リューム(cb)
      ウィーン・フィルハーモニー木管グループ

( 国内盤 MCA MVCW-19015 )






 18世紀中ごろのウィーンでは、楽隊がセレナードを演奏しながら街中を流していったり、王侯・貴族の園遊会では、セレナードやディヴェルティメントなどの音楽が野外で演奏されて興を添えたりしていたそうです。この種のいわゆる実用的な音楽の曲で、モーツァルトの右に出る人はいませんでした。12曲もあるセレナードだけ見ても、《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》、《グラン・パルティータ》、《セレナータ・ノットゥルナ》、《ハフナー・セレナード》などニックネームもついた名曲が揃っています。

 今日はそんな名作の中から、《ポスト・ホルン》を聴きます。1779年の夏に書かれたザルツブルグ時代最後のセレナードですが、祝典的な晴れ晴れとした気持ちにさせてくれます。CDの解説書によると、この曲はザルツブルグ市立大学の予備課程修了式に演奏されたのであろうと書かれていました。そして曲のニックネームは、第6楽章メヌエットの第2トリオでポスト・ホルンが独奏楽器のように扱われていることに由来します。修了して郵便馬車で旅発つ学生を象徴的に表しているのではないかとCDの解説書にはありました。
 
 今日の演奏は1950年代のウィーンを代表する名手、バリリ四重奏団とウィーン・フィルハーモニー木管グループのメンバーによる録音です。木管から滲み出るウィーン音楽の馥郁とした伝統の香りと、バリリ四重奏団の磨き抜かれた感性の調和に惚れ惚れする一枚です。



今日の写真 : キキョウ

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by fragile28 | 2008-07-21 10:58 | 管弦楽曲


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