ram's café menu No.460 : 室内楽曲
演奏 : ジャン=ピエール・ランパル(fl) リリー・ラスキーヌ(hp) ジャン=フランソワ・パイヤール/パイヤール室内管弦楽団 ( 輸入盤 LP ERATO LDE 3087 ) このジャケット・デザインはいかにもフランス風でお洒落です。優美な曲線をもったハープの左右に、収録曲に合わせてフルート、およびクラリネット(クラリネット協奏曲K.622)をレイアウトし、ぴたっとおさまっています。これはエラート・レーベル1959年の録音で、私もエラートを代表する名盤だと思うのですが、ところが同じメンバーですぐに録音のやり直し(1964年)が行われています。 しかも、新盤の解説の欄外に「このディスクは旧録音を廃盤とし、それに替わるものである」という記載まであったようです。こんなに早く再録音がおこなわれた理由は、旧録音のステレオ盤の出来が思いのほか芳しくなく、空間的な広がりも奥行きもないことに、演奏者のランパルが不満だったことのようです。 さて、今日はその廃盤となった旧録音のエントリーですが、ステレオ盤(STE50020)ではなく、超安価なモノラル・オリジナル盤です。しかし、モノラル盤だからといって侮ることはできません。DECCA録音のモノラル盤のときもそうでしたが、我が家の吹き抜けの2階で聴いてみると、あたかもコンサート・ホールの2階最前列で聴いている感じがします。モノラルらしい低音の迫力もあるし、おまけにオーケストラの広がりも感じられるような音です。80年代後半に生産されたどこかのレーベルの粗末なステレオ録音よりも、遥かに密度感もあっていい音がします。半世紀も前の録音なのに、モーツァルトの爽やかさと夢みるような美しさが、それこそ屈託なく部屋中に広がっていきます。 同曲異演盤 : ランパル(fl)&ラスキーヌ(hp)、パイヤール/室内管弦楽団(1964年) グラーフ(fl)&ホリガー(hp)、ローザンヌ室内管弦楽団 シュルツ(fl)&サバレタ(hp)、ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 有田正広(fl)、長澤真澄(hp)、 寺神戸亮&東京バッハ・モーツァルト・オーケストラ 今日の写真 : 輝き
by fragile28
| 2009-02-24 21:16
| 協奏曲
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