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モーツァルト/「羊飼いの娘セリメーヌ」による12の変奏曲ト長調K.374a

モーツァルト/「羊飼いの娘セリメーヌ」による12の変奏曲ト長調K.374a_a0085805_9435565.jpgram's café menu No.506 : 室内楽曲

演奏 : レイチェル・ポッジャー(baroque vn)
      ゲーリー・クーパー(fortepiano)

(  輸入盤 SACD CHANNEL CCS SA 28109  )




 

 レイチェル・ポッジャー&ゲーリー・クーパーによる《モーツァルト/ヴァイオリン・ソナタ全集》が、ついに完成しました。

 この全集では、有名な「第24番K.296」から「第43番K.547」までの20曲はもちろん、神童モーツァルトの超人的な才能の開花となった「第1番K.6」から「第16番K.31」の16曲も収録されています。そのうち最終巻のvol.8には正しくは《ヴァイオリン声部付き、チェロ助奏自由のピアノ・ソナタ》と題される「第5番K.10」から「第10番K.15」が収録されています。更にフランスの歌「羊飼いの娘セリメーヌ」の主題による12の変奏曲ト長調K.359(374a)と「ああ、私は恋人をなくした」(泉のほとりで)の主題による6つの変奏曲ト短調K.360(374b)まで収録されていて、正真正銘の《モーツァルト/ヴァイオリン・ソナタ全集》となっています。
 
 有名な曲はこれまでもバリリやボスコフスキー、グリュミオー、シェリング、ズスケ、デュメイ、ムターなど多くの名ソリストで聴いてきました。ところがこの2人によるモーツァルトは、そんな有名曲以外にも素晴らしい曲がたくさんあることを教えてくれました。2人のバロック・ヴァイオリンとフォルテピアノによる演奏には、極端なアクセントの付加やテンポの急激な変化はありません。丁寧に紡ぎ出された音楽は、ストレスを感じることなく広い空間へと響きわたっていきます。これでもかと美音を聞かせる大仰な演奏ではなく、柔らかな表現の心温まる対話が聞こえる演奏といえます。《レコード・アカデミー賞》に輝いておかしくない全集となりました。



今日の写真 : 宇宙遊泳


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                    ( 写真をクリックすると、少し大きな画像でご覧いただけます )
by fragile28 | 2009-06-21 11:15 | 室内楽曲


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